■サービスについて
01.二つの経営スタイル
02.二つのサービス
03.第三のサービス展開
04.おまかせ
05.サービスの語源
06.サービスとホスピタリティー
07.ホスピタリティー
08.ホスピタリティーの本質
09.ユースホステルの本質
10.消耗戦
11.御客様をどう考えるか?
12.夢のサービス
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二つのサービス その昔、日本で簡素な宿が大ブレークしたことがありました。サービスを最低にし、施設を極限までに簡素にし、その代わりに、他の宿泊施設の20パーセントくらいの価格設定した『ユースホステル』という宿泊施設が全国を席巻したことが、30年前にありました。しかし、この
「安ければいい」
「サービスは必要なときに金を払う」
という思想は、日本には根付きませんでした。ユースホステルは、安かろう悪かろうの施設レベルとサービス水準の悪さに、お客さまの大半を後発の『民宿』という競合施設に奪われてしまったからです。
民宿には、素朴ながらもサービスに配慮があり、食事もそれなりで、布団の上げ下げもしてくれるうえに、アットホームな雰囲気がありました。旅館なみとは、言えませんでしたが、フルセットパッケージ商品でした。素朴なサービスが売り物でした。
現在、ユースホステル協会は、サービスと施設の底上げを行っています。そして、その底上げに成功したユースホステルが、人気ユースホステルとなって隆盛を極めています。安ければいい、サービスは必要なときに金を払うという考えのユースホステルは、しだいに人気を無くし滅びつつあります。
しかし、それに逆行するように「もっと安く」というシステムの宿も増加しています。サウナ・温泉休憩室(仮眠室)・ライダーハウス・道の駅といった施設です。これらの施設では、500〜1000円という驚異的な低価格で宿泊できます。ほとんどサービスを期待できないのにかなり繁盛しています。
これは何を意味しているのでしょうか?
いったい世の中に何がおきているのでしょうか?
1.価格を安くしてもらい、自分の望んだサービスの選択をする。
2.価格が高くてもフルパッケージのサービスを堪能する
世の中は、どちらの方向に向かっているのでしょうか? サービスは必要なときに金を払う時代なのか? それとも多少のお金がかかっても、お客さまの想像を上回るサービスを堪能したいと言う時代がやってきているのか? それとも、どちらでもなくて第3のサービス展開があるのか? |