北軽井沢日記2
北軽井沢の作家・佐野洋子さん
北軽井沢には、さまざまな作家の方がいらっしゃいます。 私は最近まで、北軽井沢の作家と言えば、谷川俊太郎さんと岸田衿子さんのお二人しか知りませんでした。
2月の大雪の日、群馬県の高崎市にある土屋文明記念館の方が、北軽井沢の作家の調査のため、うちにお泊まりになりました。 企画展で、絵本作家の佐野洋子さんを取り上げる予定だと言います。
佐野洋子さんと言えば、私の大好きな絵本、「百万回生きたねこ」の作者ではないですか!
佐野さんが北軽井沢に住んでいらっしゃったなんて、感激です。
「百万回生きたねこ」は、一言で言えば、百万回生き返った猫が最後には生き返らなくなる。というシンプルなお話です。
私は初めてこの本を立ち読みしたとき、本屋さんで、泣きそうになりました。 本を買ってもいないくせに、こんなに感動するなんて、なんだか申し訳ないような気持ちになりましたが、読んでしまったものは仕方ありません。 せめてもの罪滅ぼしに、私は、事あるごとに、この絵本のすばらしさを力説しているのです。
子供にはもちろん、大人にとっても、大事な事を考えさせてくれます。
「愛を知らなければ、永遠の命を持っていても意味がない」
言葉にしてしまうと、どうも陳腐になってしまうのですが、分かりやすいお話の中に、力強いメッセージを感じます。
佐野さんは、エッセイも書いています。 「神も仏もありませぬ」は、北軽井沢の人や場所がたくさん出てくる、実におもしろい本です。 「無能の人」のモデルになったという、ニコニコ堂の主人や、物知りの農家のおじさん、絵本作家の岸田衿子さんなど、北軽井沢には、こんなにおもしろい人達が住んでいたんだ。とびっくりします。 また、佐野さんは、人の表現が、すごくうまいのです。
エッセイの中に、養蜂家のフルヤさんという人から、庭に植えてある水仙をもらう話があります。
フルヤさんは「静かに、静かに、花に気がつかれないように」と、そうっとそうっとわたしてくれた。 (「神も仏もありませぬ」より)
そして、フルヤさんという人は、キリストに似ているので、ヨーロッパの片田舎なんかに行ったら、たちまち村人達に身ぐるみはがされて磔になってしまうのではないか、と佐野さんは、心配しています。けれども、フルヤさんは、神様みたいに静かな人なので、
「僕が気がつかないようにそうっとはりつけにするんだったらいいよ」と答えそうな気がする。 (「神も仏もありませぬ」より)
フルヤさんにお会いしてみたくなってしまいました。
「百万回生きたねこ」も、「フルヤさん」も、佐野さんは、普通の文章で、淡々と書いていきます。 けれど、そこから伝わってくるものは、確実に、私にゆさぶりをかけてくるのです。
カッコウのジンクス
5月の北軽井沢は、サラウンド方式で聞こえる野鳥の声と、新緑で、炭酸飲料がシュワシュワ泡立つような、爽やかな季節です。
今日、今年はじめてカッコウの声を聞きました。
私は涼しげなカッコウの声が大好きで、おかげで朝からいい気分です。 個人的なジンクスなのですが、カッコウの声を聞いたときと、飛行機雲を見たときは、いいことがありそうな気がするのです。
そういえば、ジンクスという言葉、もともとは鳥の名前なのだそうです。 日本名はアリスイ、学名はJynx
torquillaといいます。 このアリスイ、捕まえられると、自分の首を180度回転させて、変な動きをします。 それを見た人が、
「うっ、何だか不吉な予感がする・・・」
と感じた事から、縁起の悪い習慣をジンクスと呼ぶようになったそうです。 もともとはジンクスは悪い意味で使われる言葉でしたが、時がたつうちに、縁起をかつぐ、いい意味にも使われるようになりました。
アリスイにとっては自然な動きが、勝手に不吉の象徴とみなされ、魔術やら占いやらに使われたそうですから、人間は勝手なものですね。
流氷の下に住むというクリオネという生物がいます。 ひらひら泳ぐ様と、かわいらしい姿で、一時期、 「流氷の天使」 と、もてはやされましたね。
私が初めて生のクリオネを見たのは、北海道は知床の土産物屋さん。 クリオネという名前もあまり知られていなかった頃でした。
「いいもん見せてあげる」
店のおばちゃんが、日本酒と書かれたプラスチックの瓶を持ってきて言いました。
「さー、クリオネちゃん!」
と、言いはなったおばちゃんが、瓶をさかさにすると、その中にはふわふわと泳いでいるような、落ちているようなクリオネが。
「これ、何食べて生きてるんですか?」
と、聞いたところ
「よくわかんないから、このまま冷蔵庫に入れて飼ってる」
水族館では珍重されているクリオネも、地元知床では、冷蔵庫の中で飼われていたのでした。
知床の冷蔵庫から、水族館の高価な水槽に移動した「流氷の天使」。 水族館の人気者となると同時に、クリオネの真実の姿も知られはじめました。 この天使は、頭が口になっていて、頭がカパッと割れたかと思うと、同じ貝の仲間を飲み込んでしまうのです。 そのホラー映画さながらの悪魔的な姿に、 「ああ、天使というのは、借の姿だったのか」 と、勝手に幻滅したのは私だけではないでしょう。
勝手に天使ともてはやされて、海から引き上げられ、勝手に幻滅される。 人間は勝手なものです。
けれども、そういう生き物の相反する生き方を知ると、生き物の複雑さが少しだけ分かったような気がします。 美しい声のカッコウは、他の鳥のヒナを蹴落として大きくなりました。 天使のクリオネは頭のてっぺんに口がついています。 不気味な動きをするアリスイも、その姿は美しいのかもしれませんね。
本日のデザート
6月も終盤。北軽井沢の木々は、日ごと緑を濃くしています。 木の陰にいると、あまりにも緑があざやかで、これを何とかしてお客さんに伝えられないかと思いました。
軟らかそうなヤマブドウの若葉をもらって、デザートのお皿に敷いてみました。 お皿に一枚、葉っぱを敷いただけで、ぐっと初夏の雰囲気になるから不思議です。
ヤマブドウの若葉は、天ぷらにして食べることもできるのです。 ふわりとした食感で、意外な事に、葉もブドウの味がします。 ブドウというより、ワインの天ぷらを食べているといった感じです。 葉にさえ、こんなに芳醇な風味があると知ってから、私は、ヤマブドウに一目置くようになりました。
葉にのせたガラスのコップには、北軽井沢名産の花豆。 花豆は、標高1000メートル以上でないと大きくならないという、親指ほどのおおきな豆です。今はまだ、花豆用の支柱にツルがからまりはじめた頃ですが、あと1か月もたてば、赤い花豆の花のトンネルが見られるはずです。
去年の秋に採れた花豆は、ほれぼれするほど大きく、味も濃いのです。煮豆や、甘納豆にすることが多い花豆ですが、今日は、甘栗と合わせて生クリームをほんの少しかけました。基本は和なのに、しっかりと洋の味にもなじむところが、花豆の懐の深さです。
そして、シフォンケーキとバンホーテンのココアを入れたクリーム。バンホーテンは甘くない、しっかりとしたココアの味がするので、気に入ってます。 アイスクリームの上には黒豆のコーンフレークを載せました。
デザートを出したときに、お客さんが「わぁ」と、言ってくれると、作りがいがあります。 今日の「わぁ」は、ヤマブドウ1枚分だけ、いつもより大きかったような気がして、なんだか嬉しいのでした。
キツネと私が惹かれた木
名前も種類も知らないけれど、通りかかる度に気になる木というのがあるものです。 浅間山のふもと、冬は一面の雪原になり、夏は牛たちの食事をまかなう牧草地の中に、「私の木」はぽつんと立っています。
左右に枝を広げ、大きすぎず、小さすぎず、目立ちすぎず立っているその木に気づいたのは、ある朝の散歩中の事でした。
北軽井沢にはトンビがたくさんいます。 いつもは高い空でゆうゆうと羽を広げている彼らですが、ある朝、私から20メートルほど離れた木の下に留まっているのを発見しました。 キリリとした顔つきや、茶色い羽の一枚一枚までがはっきりと見えます。不自然なほどに至近距離です。 よくよく見ると、トンビの側に、柔らかそうな茶色の毛皮が見えます。それがキツネの死骸だとわかるのに3秒ほどかかりました。
トンビは死肉を食べるのです。 見かけは鷹と変わらないのに、私の中で、トンビのイメージが悪かったのは、死肉を食べるという習性からでした。 けれども、トンビも、キツネも、その上で枝をひろげている木も、静まりかえった絵のようで、一つも凄惨な感じがしないのが不思議です。 あまりトンビの邪魔をしても悪いな、と思い、私は散歩を続けました。
翌朝、いつものように木の横を通り過ぎると、またトンビがキツネと一緒にたたずんでいました。 昨日の事はすっかり忘れていたので、私は一瞬ぎょっとしましたが、キツネが昨日より若干小さくなったような気がする以外は、昨日と同じ静かな風景です。
また翌日、トンビはいなくなっていましたが、さらに一回り小さくなったキツネを見守るように、木が枝を広げていました。
そうして数日後、キツネは姿を消し、木だけが残りました。
その時から、私はなんとなくその木に愛着を感じるようになりました。 様々な生き物が生まれて死んで、たべて、たべられて。 いろいろな生命をこの木は見てきたのだろうな、と思うとこの木が何か一つの人格を持った生き物のように思えてくるのです。
1週間後、久しぶりの散歩に出て、私は目を疑いました。 いつも通る、あの木の下に、また茶色い毛玉が出現していたのです。よく見ると、その毛玉にはやはり小さな耳が二つついています。 空を見ると一羽のトンビが、私とキツネの上空に円を描いていました。
2匹のキツネがこの木の下を最後の場所に選んだということが不思議でしたが、私がこの木に感じた安心感を、キツネも感じていたのかもしれません。 キツネは2匹とも、路上で時折見かけるような、目を背けたくなる状態ではなく、眠るようにふんわりと横たわっていました。 そこに舞い降りようとするトンビも、邪悪でも不気味でもなく、ありのままに悠々と飛んでいます。私の勝手な印象で、トンビを不吉に思っていた事が申し訳なく思えてきました。
その時から私は、その木を「私の木」と呼んでいます。 季節が変わる毎に、私の木は緑の葉をつけたり、白く美しい枝だけでたたずんでいたりします。
飼っていた犬をとても可愛がっていた友人がよく言っていました。友人が落ち込んでいると、犬が友人に身を寄せてじっとしているのだそうです。犬は、人間よりもよほど私の気持ちを分かってくれる、というのが彼女の持論でした。
私には身を寄せてくれるペットもいないので、辛いときには、この場所に行きます。 私の木はいつでもそこにいて、私を安心させてくれるのです。
GW終わりました
GW10連休だったお兄さん、お姉さんも、今日辺りからご出勤でしょうか? 宿業にとっては、大忙しのGWでした。 おかげさまで、夕食を焦がす事もなく、オーバーブッキングもなく(宿屋にとっては、これが一番の恐怖)たくさんのお客さん達をお見送りすることができました。 ほっと一息です。
特に、今回は、ペンションティンカーベルの営業が最後だったので、掃除にしても、朝食作りにしても、 「これが最後かぁ」 と、思うと感慨深いものがありました。
今日、久しぶりにお客さんを北軽井沢バス停に送迎に行ったのですが、一気に外が春爛漫になっていて驚きました。GW中はいつも忙しくて、散歩する暇もなかったのです。
スミレやタンポポが至るところに顔をだしているし、駐車場のボケの花も咲き始めていました。 そして、北軽井沢バス停に行ったら、桜吹雪でした。北軽井沢の季節は東京から一ヶ月遅れなのです。 浅間山の雪もストライプ状に消えつつあり、今まで茶色だった草原は、いつの間にか柔らかい緑色です。
もう少しすると、草原から甘い香りがしてくるはず。 北軽井沢に移住して初めて気がついたのですが、初夏の草原は、甘い香りがするのです。 特に、刈り取られた後の草原は、はっきりと分かるくらいに甘い。あれは、何の成分なんでしょうね。
GW初日の雪に驚いた事がずいぶんと昔の事のようです。 バタバタと忙しく過ごしているうちに、北軽井沢はすっかり春に姿を変えていました。 鳥の声さえ楽しそうな5月。 大好きな季節がやってきたんだなー、と、幸せな気分の一日でした。
スイス人青年に言われたひとこと
先日、ブルーベリーにスイス人の旅人がやってきました。 その日はあいにくの雨。最終バスの時間が過ぎてもこないので、 「これは、無断キャンセルかも・・・」 と、思い始めた頃、 「コンニチハ・・・」 と、大きなザックを背負って雨でびしょびしょになった外人さんがやってきたのでした。
これは英会話サークルの成果を試すチャンス、と思い、片言の英語でチェックインの手続きをします。 私が、パスポートを見せてくれるよう頼むと、スイス人青年は、言いました。
「イエス。マダーム」
ま、マダムですって! 食堂のおじさんに「ママ」と呼ばれたとき以来の衝撃が走りました。(ちなみにダンナさんは「マスター」と呼ばれている) 完璧な発音で、マダムなんて言われると、大金持ちの社長夫人にでもなった気がするじゃないですか。 青年にしてみれば、 「はいよ、おばちゃん」 くらいの気持ちで言った一言だとは分かっていながら、異国の言葉にうっとりしてしまった私は、もしや、白人崇拝者?
その後、温泉の送迎をしている旨、話をするが、何言ってるかわからなかったのか、 「I don’t know」 と言われてしまいました。けれど、夜にティータイムがあると言うことは分かってもらえたらしく、9時半にお茶会が始まると、青年は恥ずかしそうに1階に降りてきました。
青年はスイスで物理学を研究しているそうです。 物理という単語が分からず、「心理学? 体育?」などといろいろ回り道をした挙げ句、「アインシュタイン・ニュートン」で、物理だと分かったのでした。 その夜は、他の宿泊のお客さんと写真を撮ったり、大阪出身のお客さんが、覚えておきたい日本語として、 「なんでやねん」を教えたりして、和気藹々の時間が過ぎました。
翌朝は、お客さんが持参の抹茶をたててくれ、文化交流です。 青年は、お箸の使い方も上手だし、片言の日本語もしゃべります。スイスはドイツ語、フランス語、英語など公用語がたくさんあるので、語学は得意なのかもしれません。 青年は、何と、北軽井沢から軽井沢駅まで歩いていくと言います。日本人でもめったに歩かない長距離の上、雨も降っているというのに。
朝食後、さらに驚いた事が、分かりました。青年はベジタリアンだったのです。 昨晩、餃子を食べさせた事が頭をよぎりました。(もちろん豚肉入り) 確か、梅しばやら、柿ピーも食べさせました。 外国の人が来るとやっぱりこういうものを食べさせてしまいます。 けれど、奥ゆかしいスイス人青年は、私達がすすめる物を、断りもせず、おいしい、と食べてくれました。
前日も長野原草津口駅からここまで歩いて来て、今日も軽井沢駅まで20キロも歩く、それも野菜しか食べずに。何だか、自分が無駄に物を消費している気がしてくるのでした。
「皆さん、ぜひ、スイスにも来てください」 と、青年は日本語で挨拶して、雨の中を出かけていきました。 これから2週間かけて日本を歩くという彼の旅ははじまったばかりです。
「私は歩くことを愛します」
と、たどたどしい日本語で言った青年の言葉が新鮮でした。 マダムにしても、片言の日本語にしても、青年の言葉は、心地いい重みを持っていました。 きっとこの青年は、どんな天気でも、どこへ行っても、いい旅ができる素質を持っているように思えます。 そして、青年が日本を好きになってくれたらいいなぁ、と思うのでした。
銀亭が復活!
海の日の連休で忙しく、ブルーベリーから半径3メートル以内で過ごしていた最近の私でしたが、久しぶりに、車で周辺を走って来ました。 すると、「銀亭」の看板が。
「銀亭」というのは、パン屋さんで、以前は北軽井沢のくりのきプラザにお店を出していましたが、くりのきの閉店に伴って、1年ほどお休みしていたのです。
パンの美味しさもさることながら、ケーキも美味しくてネーミングも個性的、いかにも高原のパン屋さん、という雰囲気のお店でした。 北軽井沢では一押しのパン屋さんでしたから、閉店の話を聞いたときは、とても残念に思っていました。 中軽井沢にもカフェ併設の素敵なお店を出店しているのですが、やはり車で30分は遠い。
その銀亭・北軽井沢店が、とうとうオープンをしたのです。 それも、今までより近い場所に! ブルーベリーからは徒歩2.30分ではないでしょうか。 早速、車で寄ってみたところ、オープンはしたのですが、ホームページなどでもまだ告知する前の段階で、パンも種類が少ないとの事でした。 入ってみると、レストラン・カフェも併設されていて、広々とした店内です。 レストランはまだ開いていませんでしたが、7/26頃の週末には、パンの種類も増やせそうだとのこと。 確定ではありませんが、後には、ケーキ販売もする予定だそうで、大感激です。
何よりいいなと思ったのは、その立地です。 車で行くと少々わかりづらい細い道を入っていくのですが、少し心細いような道を抜けて行くと、広々とした牧草地が広がります。その奥に、銀亭があるのです。銀亭に着くまでの道も、何だか期待がふくらみます。 銀亭さんは、自社で農場を持ち、加工、販売もやっていらっしゃるそうで、食の安全を目指している銀亭さんらしい環境だと思いました。 散歩コースとしても良い小道ですね。レストランが開店したら、散歩+焼きたてパンとお茶が楽しめそうです。
冬の間冬眠していたカフェや、お店も、次々と開店してきました。路上に、山積みで売られている高原野菜達を見て、夏が来たなぁ、となんだかわくわくして来るのでした。
庭で過ごす夏
着々と庭を改装中です。 先日は、友人のロシア人(というあだ名の江戸っ子)に組み立ててもらったバラ模様の椅子とテーブルを置きました。 ロシア人滞在中は、雨が降ったりして、なかなかお客さんが椅子に座ってくれなかったので、ロシア人は自作のテーブルセットが活用されている様子をあまり見ることがなく、少々寂しそうでした。
が、今日の椅子&テーブルは大人気でしたよ! ありがとうロシちゃん! 毎日、夕方になると庭で編み物をする方や、今日は庭でごはんを作るお客さんも活用されていました。バイクでいらっしゃったこのお客さんは、なんと、バイクにテーブル用のパラソルを積んでいて、パラソルのないバラテーブルを、パラソル付きにして使っていました。 それを見たダンナさんが、早速パラソル購入を決心した模様です。 やはり、夏の日差しにはパラソル必須ですね。
ご近所さんからもらった花の苗や、鹿沢のゆり園から買ってきたゆりも、夏の日差しを浴びて成長中です。
鳥のエサ台も購入しましたが、今はエサがたくさんあるので、鳥は気がついていないようです。秋頃から、本格的に野鳥誘致をはじめようと思っています。
クローバーはまだミニサイズですが、よく見ると、ちゃんと三つ葉になってきました。
先日行った「麦小屋」というカフェにあったハンモックがとても気持ちよかったので、将来的には庭にハンモック! という新たな野望も芽生えてきました。けれど、それには大きな木が2本必要なので、遠い将来の話かも。
ぐっと庭らしくなってきた庭を見て、にまにまするこの頃です。
宇山君の浅間山サラダ
マネージャーのブログでいろいろと紹介されている宇山君ですが、彼の隠れた才能は編み物だけではありませんでした。
ある日の夕食を作っている時の事、宇山君はサラダの盛りつけをやっていました。彼は自分が盛りつけたサラダを見てぼそっと言いました。
「これは・・・浅間山ですね」
「え?」
「ほら、このキャベツが浅間山で! ふもとにはキュウリの森が!! 山頂のラデッシュは噴火を表現しているんです!!!」
「じゃあ、このカリカリベーコンは、立木が燃えたのを表現しているわけね」
「そうです。今日のサラダは浅間山噴火サラダということで・・・」
なかなか、芸術的センスも豊かな宇山君なのでした。 料理のセンスも、後片付けも得意な宇山君。彼に毎朝どんな朝食を食べているのかと聞くと、ご飯と牛乳だけと言います。
「一応、栄養バランスを考えてるんですよ。牛乳は完全食品だし、お米で炭水化物とれますしね」
宇山君に味のセンスを教えてやれる彼女が、一日も早く見つかることを、願わずにはいられません。
花豆祭2008
今年はもう終了してしまったのですが、2008年の8月1日〜31日にかけて、花豆祭がありました。 花豆祭というのは、ブルーベリー周辺の5キロ圏内にあるギャラリーやカフェなど11店舗が参加しているスタンプラリーです。5箇所のスタンプがたまると、オリジナルバッグがもらえます。
ここに参加されているお店は、小さいながらも、おすすめのお店が多いのです。こういう企画があると、活性化にもなるし、今まで知らなかったお店にも立ち寄れるしで、いい企画だなぁ、と思っていました。 一昨年はヘルパーさんがバッグをもらっていました。今年は私も買い物の合間を縫ってスタンプラリーをしました。それも一番忙しいお盆の時に・・・。 何やってんだと自分でも思いましたが、忙しいときほど、仕事を離れたつかの間の時間がとても貴重だったりするのです。 初めて行ったギャラリーでは、こんな作品を作る方が近くにいらっしゃったのか・・・と嬉しくなったり、期間限定でオープンしていた陶器屋さんでは、おまけで手作りコースターまでいただいたりと、1日10分ほどの寄り道が、午後からの活力になりました。
今年の花豆祭は終わってしまいましたが、来年の夏には、北軽井沢に滞在して、スタンプラリーに参加してみるのも、良いのではないでしょうか。 この辺りの名産品である花豆のイラストバッグもかわいいですよ。
ちなみに、7月1日〜9月30日まで、軽井沢八月祭PASSというのが200円で発行されていました。 軽井沢で行われる演奏会や美術館が割引になったり、軽井沢のローソンで300円以上の買い物をすると、エコバッグがもらえたりとお得なパスです。
こちらのエコバッグももらいました。葉っぱ柄の緑バッグと、鳥柄の水色の2色です。 小さく丸めておけるので、持ち歩きに便利だし、中に、ペットボトル2本を立てて(ここがポイント)収納できるポケットがついているのが、よく考えてあるなと感心しました。 こちらも、来年の夏、利用されてみてはいかがでしょうか?
成層圏に近い青
最近、運動不足を解消するべく、朝の散歩をしています。 北軽井沢の冬は晴天率が高いので、朝の空は、雲一つ無い真っ青な空です。 ここに住んでいると、季節毎に、空気の色が違うと感じられるようになってきます。 秋は、空気が夕陽色です。午前中でも、オレンジ色の粒子が空気に入っているような気がするのです。日の短かさとも相まって、これから、冬に向かうんだなー、と少し寂しくなる季節です。
しかし、冬は、きっぱりしています。
空はきっぱりと晴れて、かえって、秋よりも明るい雰囲気になります。 温度もきっぱりと寒く、陽はあっという間に暮れます。 すると、誰かが、バケツに詰め込んだ星を漆黒の闇にひっくり返したような、ぴかぴかの星がちらばるのです。 春のような霞やもやは、どこにもありません。 木にくっついていた葉っぱも、北風に吹きおとされ、木のシルエットだけが闇に浮かんでいます。 いろんなことが、はっきり、くっきり、潔い季節です。
浅間牧場から見た空は、今日もきっぱりと澄んだ青でした。
雪をかぶった浅間山と、青空を見ていたら、10年ほど前に行ったネパールを思い出しました。
ネパールトレッキングのハイライトは、プーンヒルという丘から、日の出を見ることでした。 暗いうちから、様々な国籍の人々が丘を目指して登ってきます。 寒さに震えながら日の出を待っていると、大きなかごを背負ったネパール人が、あたたかいチャイを売り始めるのでした。
たくさんの目が、朝陽が昇ってくる山際をじっと見つめています。 ふと振りかえると、太陽とは反対側の空が、とてつもなく青かったのでした。
朝陽の美しさにも感動しましたが、きりっと冷えた山間の、青い空がとても印象的でした。
感動さめやらぬままに、隣にいた見知らぬ日本人青年と、
「良かったですねー」 「今のは良かった」 「すごく良かった」
と、小学生のような会話をしました。 彼は、高価そうなカメラから、フィルターを外しはじめました。
「すごいカメラですね。それ、レンズですか?」 と、聞くと、彼は笑って答えました。
「フィルターです。これを使うと青空がもっと青くなるんです。もう、成層圏かってくらい青くなっちゃう。けど、写真を見た人はみんな、さすがネパールは空が青いんですねって納得しちゃうんですよ」
うーん、なるほど。日本にいて、これがヒマラヤの空だって言われたら、成層圏くらい空が青くても信じちゃうだろうなぁ。 私は、フィルターなしの青空で満足だけど。
そんなことを思い出しながら北軽井沢の空を見ると、成層圏まではいかないけれど、ネパールの空と同じくらい青かったのでした。 フィルターなんて使わなくても、空は青いし、より青く見ることだってできるのです。
私のおすすめは、木と一緒に空を見ることです。 白樺や、モミノキ、雪をかぶった山などと一緒に空を見ると、青さが際だちます。
さらに、あづまやに入って、建物の中から、風景が額縁の中に入ったように見える場所で空を見ると、見る範囲が限定されるせいか、美しく見えます。 あづまやも、窓枠もない時に一番簡単な方法は、ラジオ体操のように、足を開いて、その間から景色を見ることです。 子供みたいで恥ずかしいかもしれませんが、誰も見ちゃいません。
同じ風景が逆さになっているだけなのに、とても新鮮に見えますよ。 一度お試しを。
成層圏に近い青
最近、運動不足を解消するべく、朝の散歩をしています。 北軽井沢の冬は晴天率が高いので、朝の空は、雲一つ無い真っ青な空です。 ここに住んでいると、季節毎に、空気の色が違うと感じられるようになってきます。 秋は、空気が夕陽色です。午前中でも、オレンジ色の粒子が空気に入っているような気がするのです。日の短かさとも相まって、これから、冬に向かうんだなー、と少し寂しくなる季節です。
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浅間牧場から見た空は、今日もきっぱりと澄んだ青でした。
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ネパールトレッキングのハイライトは、プーンヒルという丘から、日の出を見ることでした。 暗いうちから、様々な国籍の人々が丘を目指して登ってきます。 寒さに震えながら日の出を待っていると、大きなかごを背負ったネパール人が、あたたかいチャイを売り始めるのでした。
たくさんの目が、朝陽が昇ってくる山際をじっと見つめています。 ふと振りかえると、太陽とは反対側の空が、とてつもなく青かったのでした。
朝陽の美しさにも感動しましたが、きりっと冷えた山間の、青い空がとても印象的でした。
感動さめやらぬままに、隣にいた見知らぬ日本人青年と、
「良かったですねー」 「今のは良かった」 「すごく良かった」
と、小学生のような会話をしました。 彼は、高価そうなカメラから、フィルターを外しはじめました。
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「フィルターです。これを使うと青空がもっと青くなるんです。もう、成層圏かってくらい青くなっちゃう。けど、写真を見た人はみんな、さすがネパールは空が青いんですねって納得しちゃうんですよ」
うーん、なるほど。日本にいて、これがヒマラヤの空だって言われたら、成層圏くらい空が青くても信じちゃうだろうなぁ。 私は、フィルターなしの青空で満足だけど。
そんなことを思い出しながら北軽井沢の空を見ると、成層圏まではいかないけれど、ネパールの空と同じくらい青かったのでした。 フィルターなんて使わなくても、空は青いし、より青く見ることだってできるのです。
私のおすすめは、木と一緒に空を見ることです。 白樺や、モミノキ、雪をかぶった山などと一緒に空を見ると、青さが際だちます。
さらに、あづまやに入って、建物の中から、風景が額縁の中に入ったように見える場所で空を見ると、見る範囲が限定されるせいか、美しく見えます。 あづまやも、窓枠もない時に一番簡単な方法は、ラジオ体操のように、足を開いて、その間から景色を見ることです。 子供みたいで恥ずかしいかもしれませんが、誰も見ちゃいません。
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